アメリカンエキスプレスというブランドイメージ

皆さん、アメリカンエキスプレスと聞いてどんなイメージを持っていますか?

富裕層的なイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。

実際に私みたいな所持者も居るので必ずしもイコールではないのですが、ブランドイメージとして上級なイメージがあるのだと思います。

ただ、情報を遡ってみるとここ10年くらい前あたりから、ブランドイメージを転換しようという考えになってきている印象があります。

日本や世界の経済状況などが影響していると思うのですが、その辺の動きを自分なりに情報を見てみました。

もともと、アメリカの運送会社で、もともと運送会社として持っていたネットワークを使ってアメリカ人が旅行に行く際のサポートサービスも開始。

金融業に進出し、トラベラーズチェックの発行を行い、その延長線上で発行されているのが、今のアメックスカードとなります。

日本に進出して、日本で一番最初のゴールドカードを発行したのもアメックスです。

クレジットカードに高級志向のブランドイメージを作り、ゴールドカード、プラチナカードというハイクラスのカードを作成してカード業界を常にリードしてきた存在でもあります。

 

昔は、ジャック・ニクラウスの「出掛ける時は忘れずに」という印象的なCMがありました。

正確には覚えてませんが、3~40年前くらいかなぁ・・・。

大変印象的なCMでしたが、世界的な名ゴルフプレイヤーを起用し、旅行の際には忘れずに持って行こうという、高級感のあるイメージでした。

昔はいつかはクラウンみたいな言葉がありましたが、同じくらいの時代にいつかはアメックスゴールドカードみたいなものもあったのかもしれません。

 

という流れで、高級志向のブランドイメージを作ってきたアメックスですが、昨今の経済状況を踏まえてブランドイメージまでとまではいかないまでも高級志向から少し脱却しようとする動きも感じられます。

それを感じられるインタビューが以下にあります。

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0802/14/news047.html

ITmediaビジネスさんに記事で「アメリカン・エキスプレスは“生活の一部”になりたい」という題名です。

2008年2月の記事で少し前の記事ですが、リーマンショックの半年ほど前ですね。

高級店や旅行だけではなく、スーパーやコンビニなどの普段使いでも使って頂きたいというメッセージです。

もともと決済性に弱かったアメックスですが、JCBと提携して国内のJCB加盟店でも決済可能になったので使ってほしいというものです。

 

カード決済会社としては、以前もお話した通り主な収入源は年会費と加盟店手数料となりますが、昔のアメックスは高額決済をしてもらう事で加盟店手数料を稼ぐ形だったと思います。

昔は国民総中流階級で年功序列、ひとつの会社に長く勤めていれば、アメックスを保有出来るだけの所得を持った人が順番に作り出される時代でもありました。

今は皆無とは言いませんが、そのような仕組みが成立する会社はとても少なくなったと思いますし、上のクラスの収入を得られている層は昔と比べて割合が減ったのではないでしょうか。

自分の上司がゴールドやプラチナカード、車で言えばクラウンを持っている。

この会社で頑張れば自分もいつかは持てるんだという、高嶺の花ではあるもののいつかは・・・みたいな考え方は、今は全く通用しない時代ですしね。

 

そのような時代の中で、これまでアメックスはこれまでの対象としていた収入層だけを相手にしていたのでは会員数が減ってしまう、という考えに至ったのかもしれません。

先細りを防ぐために、審査基準を大幅に落とし会員数を増やすことは、かなり前から行われていると思います。

でなければ、自分のような中小サラリーマンが持てるはずありませんからね。

 

それに伴い、特典も高級志向モノが多かったのですが、少しずつ庶民的なレベルの特典も増えてきました。

最近は、マクドナルドでのキャッシュバック、ネット通販のモール開設などもありますし、細かいものも含めると普段使いレベルの特典がとても多くなったと思います。

 

今後の方向性なのですが、更に普段使いの特典が増えると思いますし、現代の中層階級ホルダーの増加も目指していくのでは?と感じています。

今まで作ってきた高級志向のアメックスブランドに惹かれてホルダーになっている方にとっては、あまり好ましい状況ではないのかなと思います。

これまで作り上げたアメックスのブランドイメージは貴重だと思いますし、基本的には維持してほしいとは思いますし、高級志向ファンの方々からしても、それを願っていると思います。

 

そして、新規ホルダーの獲得の障壁になっているのは、高い年会費でしょう。

一方でホールドするのは簡単ですが維持するのが難しいという、他のカードとは違うところでホルダーの精査を行っているところはあるのかもしれません。

 

特典に関しては、アメックスは付帯保険や海外サポートも含めて、盛りだくさんで質も良いです。

今後、普段使い系の特典を増えていくのかなと予想していますが、特典に使用出来る経費が増えない以上、現状の高級志向特典が廃止になっていく傾向になっていくかもしれません。

どういう特典を削って、どういう特典を増やしていくのか、最近起こっている改悪はその流れの一つなのかもしれません。

アメックスも過渡期の中で、難しいハンドリングを迫られているなと感じています。

もしかすると、アメックスに自分の要望を伝えておくと良いかもなんて思ってます。

 

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